万年筆を持ったら、
なるべくたくさん使ってみたくなるものです。
万年筆は道具ですからね。
たくさん使ったほうが、万年筆としても真の価値を発揮できるのです。
ということで、せっかく万年筆を持ったのだから、
使う機会を増やす方法といいますか、
日常のどういった場面で使えるかを、少し紹介したいと思います。
考えてみたら、万年筆ってけっこう不思議なものです。
まさに手のひらサイズの一本なのですが、
想像以上に構造は複雑で、
さまざまな素材が、さまざまな機械や
職人さんの手によって作られました。
そして、これまたさまざまな販路、人の手を介されて、
今こうして奇跡的に自分の手元にあるわけです。
いえ、シリアルナンバーが入っているとかじゃないんですよ。
それでも今手元にあるのは特別な一本に思えてきて、
やっぱり愛情を込めて使いたくなるのです。
いつも胸元または内ポケットまたはバッグに万年筆を
ちょっと話がそれてしまったのですが、
万年筆をたくさん使う方法はとても簡単です。
それは、日常的に持ち歩くことです。
万年筆というと、大事な場面で使うものと思われるかもしれませんが、
まったくそんなことはありません。
ボールペンやシャープペンを使う感覚で使えばいいと思います。
ということで、仕事に行く時など、外に出る時は必ず一本は持っていきます。
オシャレに胸元のポケットに差しておいてもいいし、
内ポケットに差しておいてもいいし、バッグに入れておいてもいい。
女の人だと、ポケットにペンを差している人がけっこういますよね。
あんな感じで一本持っておくのはいかがでしょうか。
ポケットにペンを差してある姿って、なんだか素敵だと思います。
メモを取る程度の機会なら、1日1回くらいはあるでしょう。
万年筆といえども、別に原稿用紙に清書するため書くためのもの
ということもないので、メモ帳にササっと走り書きでもしてみます。
そうすると、そのうちに万年筆が随分と身近になっているのに気づくはずです。
万年筆が普段使いの道具になっているんですね。
手によく馴染んで、自分らしい字を書けるようになり、
書く行為そのものを楽しめるでしょう。
時々万年筆を見て、本当に良いものを持ったぞ、なんて思いながら。