【万年筆】ペリカン スーベレーンM800(緑)

今回ご紹介したいのは、ペリカン(独)のスーベレーンM800(緑)です。ペリカンは万年筆の王道中の王道、それもスーベレーンの緑と言えば、高級文房具のアイコンのように扱われることもしばしばです。国内でも知名度は圧倒的に高く、スーベレーンを持っていれば、すぐにそれと気づいてくれるはずです。持ってうれしい、もちろん、書いてうれしい。スーベレーンM800(緑)あわせてペリカン社の詳細を以下にご案内します。

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約200年の歴史を持つペリカンの始まりは絵具から。

スーベレーンとメモ帳1838年に創業したペリカンは絵具工房としてスタートします。今では押しも押されもせぬ万年筆メーカーのイメージが強くありますが、数十年の間はインクメーカーとして活動を展開します。初めて万年筆を世に送り出したのは1929年(同年は「世界恐慌」の年ですよね、確か)。その後、1950年にスーベレーンの原型のとなる#400が発表されました。

日本でペリカンの知名度が高まったのは、この#400がもたらされた1950年代以降です。スーベレーンの代名詞である縦縞模様が人気を集めたようです。ペリカンのホームページによれば、スーベレーンと名付けられたのは1980年代になってからで、当時の独ヴァイマル共和政期の政治家シュトレーゼマンがストライプ模様のスーツを着ることで有名だったことから、シュトレーゼマンというニックネームで呼ばれていたとのこと。シュトレーゼマンは主に外務大臣として活躍し、1926年にノーベル平和賞を受賞しました。人気も実力もあったと推測されますので、スーベレーンにとって「シュトレーゼマン」と呼ばれるのは、名誉なことだったのではないかと考えられます。

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絶妙の大きさと形のM800。

スーベレーンの良さは、まずはそのデザイン性の高さが挙げられます。縦縞模様は独特の工程で作りだされ、一本一本少しずつ異なっています。非常に味わい深く、見ていても使っていても、大きな充実感を覚えます。胴軸の緑は明るすぎず暗すぎずで、キャップの黒、クリップ部分などの金色と相まって、落ち着きや高級感を与えてくれるのです。

M800はスーベレーンシリーズの大きいほうから2番目の大きさです。もっともヒットしたサイズとの評価もあり、丸善の売り場の方によれば「シリーズの中でももっとも美しいフォルム」だそうです。特にペン先と胴軸の大きさが絶妙だと言います。実際、見ていて何とも言えない美しさを感じるのは事実です。

スーベレーン 緑と赤

技術的に評価の高いペリカン。

スーベレーンのキャップの部分ここまで、スーベレーンのデザインを中心に話を進めてきました。他方、スーベレーンを含め、ペリカンの万年筆は技術力にこそ真髄があるとの声があります。非常に精巧な作りで、故障が少ないのが大きな特徴の一つ。それでいて、万一故障した場合のアフターケアが万全なところも評価を高めている要因の一つのようです。ペリカンは故障した場合にパーツ交換できる部分が、一般的には3~6カ所のところ、18カ所に上ります。このため、不具合が発生したとしても、基本的には修理が可能となっています。

このほか、特徴的なこととしてペン先を外せることが挙げられます。どういうことかというと、ペン先を軽くひねると取り外せるのです。この構造でインク漏れしないのは、考えてみたらものすごいことです。回して取り外せるのに、液体が流れ出さないのですから。他のメーカーの万年筆は通常、ペン先の取り外しは、分解でもしようとしない限りは、できません。

柔らかな書き味が持ち味。

スーベレーンを手に持っているでは、使ってみてはどうでしょうか。文字を書いてすぐに気づくのが、非常に柔らかいということです。万年筆特有の「ぬらぬらー」感がはっきりと感じられます。紙の上をすべるようにペン先が走ります。紙にまったくひっかかりません。スーベレーンを使った後に他の万年筆を使うと、「なんかカリカリ」すると感じられるほどです。

ただ、もしかしたら、柔らかすぎると思うかもしれません。普段使うことの多いボールペンやシャープペン、鉛筆とは書き味が大きく異なります。万年筆らしいがゆえに、違和感を覚えることも考えられます。ついでに付け加えると、インクの出もいいので、インクと紙の相性によってはにじみが気になる可能性もあります。文字をゆっくり書いていると、にじむことが多いです。ただ、これからのことは多分に慣れもありますし、万年筆に何を求めるかによって評価が変わってきます。万年筆らしさを味わいたいなら、スーベレーンは本当に優れた逸品となるでしょう。

なお、スーベレーンM800で、初めて海外製の万年筆でMの文字の太さを選びました。文字の太さFのM600を持っていることと、大きめのボディが魅力のM800だから、文字も太めにしようと考えたからです。普段は日本製のMあるいは海外製のFを使っているため、文字は確かに太と感じられますが、ノートに書く分にはあまり気にならない太さです。手帳やメモ帳に書いていると、文字が大きくなりがちですが、使えなくもありません。と言いますか、手帳やメモ帳への記述にも使っています。万年筆ではカリカリ細い字を書くより、ぬらぬらーっと大きな文字を書きたいという欲求があるので、これからは海外製のMももっと持ってみようという気になっています。

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