【ボールペン】クロス センチュリーⅡ 

今回ご紹介するのは米クロスのボールペン「センチュリーⅡ」です。ここでは基本的に万年筆を扱いますが、それ以外でも紹介したい筆記具及びブランドがいくつかあります。その中でクロスを取り上げます。

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アメリカ最古の高級筆記具メーカー

クロスの歴史は古く、1846年に「クロス・ペン・カンパニー」として設立されました。設立当初から新しい商品を出すことに積極的で、1873年に現在のボールペンの先駆けとなる「スタイログラフィックペン」、シャープペンシルの原型となる「繰り出し式ペンシル」を発明して、米国で26、英国で7つの特許を取得しています。

現在はグローバルに展開しており、世界中の人々に愛用されています。日本での知名度も高く、筆記具市場に広く張り込んでいます。百貨店やデパート、文房具専門店などには必ず置いてあると言っても過言ではありません。また、エントリーモデルからハイエンドモデルまで幅広くあり、その意味でも非常に手に取りやすいブランドとなっています。

なお、クロスは筆記具について、万年筆やボールペンを含めすべてに機構上の永久保証を付けています。故障した場合は、使用年数に関わらず無料で修理または交換してくれるのです。非常に珍しく特徴的な制度で、安心して長く筆記具を使い続けることができます。永久保証といっても実際には壊れたら買い替えるケースがほとんどだと思いますが、親から譲り受けた万年筆、たまたま見つけたおじいちゃんのボールペン、なんてものがあって壊れた場合には、永久保証制度を使って修理に出すと良いかもしれませんね。

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クロスのボールペンの魅力

クロス センチュリーⅡ クロスの魅力は、そのデザインにあります(と個人的には考えます)。特に今回ご紹介するセンチュリーⅡは、名前からもわかる通り「センチュリー」の後継の製品です。センチュリーはクロスの創業100周年を機に生まれ、細軸、円錐形のキャップトップなどが特徴となっています。センチュリーⅡはセンチュリーのデザインを踏襲しており、ペン軸がやや太くなったということ意外に大きな差はありません。センチュリーは現在も生産されていますので、見比べて好みに合うほうを選ぶと良いでしょう。私の場合は細身のボディより、中軸のほうが手にしっくりきたの、センチュリーⅡを選びました。

中軸といっても、シルエットはとてもスリムでスタイリッシュな印象を与えます。色合いも光沢がありながらも変にキラキラしておらず、落ち着きがあるでしょう。写真のセンチュリーⅡは「トランスルーセントブルーラッカー」という色で、この色味がなんとも言えず引き込まれるものあります。パッと見で高級感が伝わり、ビジネスでよく使う、いわゆる100円ボールペンやノベルティで配られるボールペンとは明らかに異なります。胸ポケットからサッと取り出せば、違いが演出され、注目されること間違いありません(注目はやや言い過ぎな面もありますが)。一方、それでいて、ネットなどで探せば1万円以下で手に入るので、高級筆記具としてはとてもリーズナブルです。ボールペンは壊れにくく品質も安定していますので、ネット購入について万年筆ほど神経質になる必要はないでしょう。書き味の違いも万年筆ほど好き嫌いは生じにくいと考えらえます。

センチュリーⅡ色は紹介したブルー系のほかに、赤、黒、ゴールド、シルバーなど豊富にあり、好みや使用シーンによって使い分けも可能です。贈り物としても有効でしょう。ただし、色によって値段が異なる場合があるので、注意が必要です。

中字だとやや太め

書き味はどうか。あくまで個人の感想としてはとても書きやすいです。ボールペンはいつも使っている筆記具の一つですので、万年筆ほど「違い」は出ないでしょう。しかし、100円ボールペンなどと比べると重量がある分、書き応えがあります。ペン先が滑らかに滑り、インクの溜まりもできにくくなっています。これは非常にいい点です。ただ、重さに関しては、好みの分かれるところかもしれません。普段使いの道具なだけに、慣れがありますからね。

一点、注意が必要なのは字の太さです。初期補填されているペン先はおそらく中字になっているはずです。この中字は、日本語を書くにはやや太めです。この点、万年筆のペン先の事情とよく似ており、クロスはアメリカのメーカーなので、アルファベットを書くことに最適化されています。一方、日本語はアルファベットより画数の多い文字が多いので、アルファベット専用の中字では太すぎるのです。ノートに書く分にはさほど気になりませんが、契約書や複写式のシートに住所や電話番号を書く時は、スペースが狭いと太さがやや気になってきます。

クロスとセーラーの比較法性寺入道前関白太政大臣

 

 

クロスは元大統領も愛用

クロスの商品ラインナップには当然に万年筆もあり、1889年には既に取り扱いを始めています。万年筆メーカーとしても十分な歴史を持つわけです。それなのに、なぜ万年筆を扱う当サイトで敢えてクロスのボールペンを紹介するのか。説明したいと思います。

一つにはクロスがボールペンの先駆者的存在ということがあります。上記の通り、1873年に現在のボールペンの先駆けとなる「スタイログラフィックペン」を発明しており、クロスと言えばボールペンのイメージがあるのではないかと思います。

もう一つ、クロスはアメリカバラク・オバマ元大統領が愛用したことでも知られています。法律の調印式ではなんと22本も使ったとか。なお、調印式で複数のボールペンを使うのは慣習の一つで、オバマ元大統領だけが特別多いということはありません。また、クロス以外のブランドが用いられることもあります。使用したボールペンは法律の制定に尽力した人たちに配られます。

こういうと、オバマ元大統領のファンだったからクロスのボールペンを使ったと捉えられてしまうかもしれませんが、そうでもありません。加えて、調印式で使われるペンだからということでもなく、上記の通り必ずしもクロスが使われるということなく、シェーファーやパーカーなども用いられています。だったら何なんだと言われそうですが、そこは調印式でオバマ元大統領が使ったからに返ってきます。

訳のわからないことを言って大変申し訳ありません。私が万年筆に強く興味を持った時とオバマ元大統領の大統領就任の時期が重なっており、「海外の万年筆メーカーにクロスがある、調べてみると、オバマ大統領(当時)が調印式で使用しているらしい。ただし、使ったのはボールペン。なるほど。だったら、それにあやかってボールペンを一本持ってみようか」となったわけです。

一本持ったことをきっかけに以来、クロスのボールペンを愛用しています。万年筆をはじめ筆記具との出合いは一つの縁みたいなものですからね。クロスというメーカーを知った時にたまたま時の大統領が愛用していることを知って使ってみた。ごく単純なことですが、こういう出合いは大事なのではないかと思います。

ちなみに、オバマ元大統領が愛用していたのはタウンゼントシリーズで、今回紹介したセンチュリーⅡではありません。なんとも腰砕けの結末になってしまいましたが、、、クロスのボールペンは間違いなく使いやすくいいものです。ぜひ一度試してみていただければ幸いです。

 

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