万年筆ついに4万円へ。セーラーの値上げに絶望しつつ原点回帰
万年筆 値上がり 高値

このブログで「万年筆の値上げ」について書くのは、もう何度目になるでしょうか。「またか」とお思いでしょう。書いている私自身が一番そう思っています。でも、今回はちょっと次元が違います。ため息が出るレベルです。

まずは、こちらのニュースをご覧ください。

【ニュース要約:セーラー万年筆、衝撃の価格改定】

2026年2月1日から、セーラー万年筆が製品価格の大幅な改定を行います。報道(Yahoo!ニュース/J-CASTニュース)によると、上げ幅はなんと「倍」。 具体的には、これまで2万2000円だったモデルが、一気に4万4000円へと跳ね上がるらしい。原材料費の高騰や円安などを背景に、他メーカーも追随する動きを見せています。国産万年筆を手に入れるなら、今が最後のチャンスかもしれません。

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メインストリームが「高嶺の花」に

いかがでしょうか。つい最近も値段が上がったばかりです。「プロフィット スタンダード 」はかつて1万円台で手に出来たのです。倍率ドン、さらに倍です(古いなー)。スーパーの卵が200円から400円になるのとはわけが違います。単位が「万」ですからね。

正直に言うと、「メインストリームですらこの値段になってしまったら、もうおいそれと万年筆には手が出せません」。4万円あれば、一昔前なら憧れのペリカン(スーベレーン)やパーカー、あるいは国内ブランドのワンランクあるいはツーランク上が買えた金額です。

こんなことを言っていると、「若いころは、100円あれば腹いっぱい飯が食えた」などと呟いているおじいちゃんみたいで嫌になりますが、万年筆界隈におけるこの数年のインフレは、それくらい急激で残酷です。

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狙っていた逸品と、静かなる決別

実は、買おうかなと昨年あたりから迷っていたセーラーのモデルがありました。セーラー独自の21金で、見た目にもとても美しい逸品です。でも、ある意味、今回の発表を見て「もう諦めるしかないな」と感じてしまいました。どうも21金のモデルは8万円台に突入するようで。8万円……。怒りでもなく、悲しみでもなく。なんとも言えない、虚無感のような気持ちです。そのモデルは値上がりして3万円台(ネット価格なので定価はもっと高いです)になっていました。その額で迷っていたので、8万円だと迷いは完全に断ち切られてしまいます。

今回の値上げは2月1日から。「駆け込み需要」で最後に一本……と考える方もいるでしょう。でも、今の時点で既に決して安くはない3万円。即決できる額ではないし、これが最後のチャンスという見方もあるのですが、これが最後だと言って買ってしまったら、際限がなくなりそうでちょっと怖い……。

そもそもメインストリームですら4万円です。4万円を超えると趣味の範囲を超えるように感じるのです。もちろん、モンブランやスーベレーンなどでもっと「良い買い物」をしたことはあります。ただ、それは高いものを高く買ったわけで、一生ものにしようとか、そういう思いを込めていたのであって、かつて1万円2万円だったものが4万円を超えてしまうと、心理的にも大きな壁ができてしまいます。

「コレクション」の終焉、「使用」への回帰

今回の件で、はっきりと分かったことがあります。それは「万年筆をコレクションする時代は終わった」 ということです(もちろん、私にとってはですし、コレクションというほどたくさんは持っていないですが)。気に入った色だから、限定品だから、新しい軸が出たからと、そうした理由で新しい万年筆を「お迎え」することは、もはや不可能でしょう。万年筆は、完全に「高級嗜好品」の棚の、一番高いところへ安置されてしまいました。

でも、ふと思うのです。 これはある意味、私に突きつけられた「原点回帰」のチャンスなのかもしれない、と。もともと万年筆は、ショーケースに飾って眺めるためのものではなく、インクを吸わせ、紙の上を走らせるための「道具」です。 新しい万年筆が買えなくなったのなら、今、手元にある愛用のペンたちを、もっと愛してあげればいい。 コレクションが増えないなら、一本一本の使用頻度を増やして、もっと「書く」ことを楽しめばいい。

値札を見てため息をつくのは、今日で終わりにしよう。お気に入りの一本を持って、机に向かえば良いのです。インクの匂いと紙にペン先が触れるあの感覚は、値段に関係なく、いつでもそばにあるのだから。

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