others 【エッセイ】万年筆は3度うれしい。 万年筆を持つ喜びは、概ね3度訪れる。 1度目は初めてその万年筆を手にした時。 単純に所有の喜びである。 気に入った万年筆を見つけ、購入の意志を固め、 その万年筆を自分のものとした時、気持ちはとても高揚する。 2度目は、その万年筆で字を書いた時。 自分のものとした万年筆を箱から取り出し、 インクをセットして 紙の上にペン... 2020年5月15日 fujikawa
others 【エッセイ】この景色。 人間というのはつくづく習慣の動物だと気づかされます。 気づいたら、同じ時間に同じ道を歩いていて、 その景色には、代わり映えがありません。 でも、ちょっとした都合で、 普段はこの町にいないはずの時間に、 同じ道を歩いてみる。 すると、どうでしょう。 全然違うのですね。 人も、息遣いも、声も、違う。 同じ町なのか、というく... 2020年4月6日 fujikawa
others 【エッセイ】春の陽。 日差しが熱を帯びてきたとき、 春が来たなと感じます。 春の日差しは温かい。 そこには確かに熱があって、 体はもちろん、景色までも温めてくれるみたいです。 だからでしょうか、春の景色は柔らかく、 きりりとした表情はないものの、 丸みを帯びた優しさがるように思えてきます。 なんてね。 この歳にもなれば、春だから、といって、... 2020年3月19日 fujikawa
others 【エッセイ】とどめておきたい風景を書く理由 知らず知らずのうちに、いい風景と出会う時があります。 それは、風景というよりは、瞬間瞬間の ほんのふとした個人個人の「思い」であることが多いかもしれません。 いつもと同じ道を歩き、同じ景色を見ているはずなのに、 違って見える、違って見えるように感じる。 ちょっとした感動を味わいます。 時にはふと、昔のことを思い出します... 2020年3月1日 fujikawa
others 【エッセイ】冬も夕暮れ。 もちろん、早朝(つとめて)もいいのだけれども、 冬の夕暮れもとてもいいです。 なんというのでしょうか、 あの郷愁のある雰囲気がなんとも言えません。 特に住宅街の中を歩くのがいいですね。 少しだけ光が残る景色。家々が映しだされ、 ちょっと冷たい空気に夕飯の匂いがまじると、懐かしさを感じる。 「家に帰らなきゃな」なんて、子... 2020年2月21日 fujikawa
others 【エッセイ】今日も歩く道。 駅から家までの10分弱。 冬の間は、これがとてつもなく長い距離に感じます。 体の芯から冷やされて、のんびりすることなんてできません。 自然と早足になって、跳ねるように歩いていきます。 夜の冬。 そこはとても無表情です。 前を見ても横を見ても色がなく、 静かで、どこまでも広がっていくようで、本当に深い。 もしかしたら、こ... 2020年1月31日 fujikawa
others 【エッセイ】冬の、曇り空の景色。 曇の日は灰色です。 特に冬の日は、 カラッと晴れた青い空が印象に残っているからでしょうか、 景色に色がないことが、目立ってしまいます。 枯れた木々に枯れた葉っぱ。 コンクリートの建物はもちろん、 人のいる公園までもが寂しく見える。 自然界はなぜこんな色のない色を創りだしたのでしょうね、 なんてね。 冬の、曇り空の景色。... 2020年1月26日 fujikawa
others 【エッセイ】雨に思う 冬の雨はとても厳しい。 身を切るような風がふく中、雨が降る。 手袋なしで傘は持てず、 服も足元も手荷物も、すっかり濡れてしまう。 でも、どうしてか、私は雨をそこまで嫌いになれません。 むしろ、雨に、さまざまな特別な感情を抱いてしまうのです。 これはきっと、雨の多い北陸の地で育ったからでしょうね。 雨の日、さすがの関東も... 2020年1月20日 fujikawa
others 【エッセイ】透明な冬 冬の晴れた日は、見晴らしがいい。 なんだか、そんな気がします。 街の中を歩いていると、 遠くの方の景色まで目の中に飛び込んでくるようです。 空気が透き通っているのか、本当によく見えます。 きっと空がカラリと晴れているからでしょう。 真っ青な空。 気持ちまで晴れやかになる空の色です。 日本の冬、というと、雪の映像が流され... 2020年1月12日 fujikawa
others 【エッセイ】日本の冬は温かい。 どちらかと言うと、内向きな性格ということもあるからでしょうか。 暖房の効いた部屋の中がとても好きです。 冬場は家にダラダラいる姿が様になってとてもありがたいですね。 コタツがなくてだらりと寝転ぶことはできないけど、 空調で暖められた部屋というのも、なんとも、これはこれで。 昼がさり、ぼんやりテレビを眺めていると、 人が... 2020年1月6日 fujikawa