【エッセイ】冬の、曇り空の景色。

曇の日は灰色です。
特に冬の日は、
カラッと晴れた青い空が印象に残っているからでしょうか、
景色に色がないことが、目立ってしまいます。

枯れた木々に枯れた葉っぱ。
コンクリートの建物はもちろん、
人のいる公園までもが寂しく見える。
自然界はなぜこんな色のない色を創りだしたのでしょうね、
なんてね。

冬の、曇り空の景色。
僕は、けっこう好きです。
なんというか、冬独特の哀愁のようなものがあって、
ああ、冬なんだな、と思ってしまうと言いますか。
時々、モノトーンの景色の中に、
調子はずれに山茶花の花の色が映り込んできて、
それでも決して寂しさは失われないけれど、
それはそれでいいと思えてしまう。
これって冬の景色です。

留めておきたい風景がある。
人は思いながら綴りながら暮らしている。
万年筆のある風景。

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