中字、細字など、万年筆のペン先(字の太さ)の選び方

万年筆を使う際は、必ずペン先を選ぶことになります。
店舗などで購入する際も、
「ペン先はどうしますか」と尋ねられると思います。

これはどういうことかというと、「字の太さ選択してください」
ということであり、つまり、万年筆はペン先によって字の太さが変わるということです。

ボールペンやシャープペンシルも芯の太さが、
0.3mm、0.5mm、0.9mmなどとありますよね。あれと同じです。

ペン先にはいくつかの種類があり、使い方や好みで、
どの太さにするかは変わってきますが、
目安としては以下を基準にしておくといいと思います。

国内メーカー M
海外メーカー F

MはMedium(ミディアム)、FはFine(ファイン)のそれぞれ頭文字です。
ミディアムは服などのサイズを表す時によく使うと思いますが、
万年筆でも同様に「中間」を意味します。
ファインはサイズを表すのにはあまり耳慣れないかもしれませんが、
「細い」という意味があります。

主に使うのがこの2種類で、
前後一段階ずつの太さは耳にする機会があるかもしれません。
細い順に並べると以下のようになります。

EF Extra(エクストラ=特別に)Fine 極細
F Fine 細字
M Medium 中字
B Broad(ブロード=幅広い) 太字

メーカーによっては、もっとたくさんの種類があります。
例えば、パイロットのカスタムシリーズはなんと15種類もあります(すごい!)

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なぜ国内メーカーと海外メーカーで選ぶ基準が異なるのか

上の基準を見て「あれ」と思ったかもしれませんね。
なぜ国内メーカーはMなのに海外メーカーはFなのか、と。
なお、この場合の国内はセーラー、パイロット、プラチナ、
海外はモンブラン、ペリカン、パーカーなど欧米系メーカーを指すとお考えください。

理由は、海外メーカーのペン先は、国産の万年筆に比べると太いからです。
というより、国産の万年筆は日本語を書くためにペン先が細く作られているのです。

比較のため、国内メーカーと海外メーカーのMとFをそれぞれ紙に記してみました。

万年筆の字の太さ

いかがでしょうか。
「ペリカンM」「ペリカンF」「パイロットM」は
見た目にはほとんど違いがわかりませんね(笑)
ただ、実際に使っていると「ペリカンM」はやはり太いと感じます。
「ペリカンF」と「パイロットM」はほとんど同じ感覚です。

「パイロットF」ははっきり細いのがわかるでしょう。
メモ帳やシステム手帳など、狭いところに書くことが多い場合は、
Fを選択するといいかもしれません。

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ペン先は細くすることができる?

万年筆のペン先を調整・修理してもらえるペンクリニックに依頼すると、
ペン先の太さを変えることができます。
変えるといっても基本的にペン先を削ることになるので、
要するに、細くするのは可能ということです。

※ペンクリニックは例えば、「銀座 伊東屋」に常設されています。

Mを使ってみたものの、もうちょっとだけ捕捉したい、
などと感じた時は、相談するのもいいかもしれません。

ただ、話を聞いてみたところ、細くするのは、
ペン先のペンポイントの部分が左右非対称になっている場合に限られるようです。
※下記の図を参考にしてください。

ペン先の図

非対称になっている部分を削って細くするようなので、
正しく対象に作られていると、細くするのは難しいとのこと。
万年筆は職人さんの手作りで作られる部分が多いので、
一本一本で多少の品質の違いはあり、
ものによってはこのような対応が可能ということでした。

ただ、国内メーカーはもちろん、
近年は海外メーカーの品質も安定しているので、
ペン先が左右非対称になっているケースは少ないように感じます。
ですので、ペンクリニックに相談・依頼するのはあくまで非常手段と考えて、
基本的には購入する段階で自分に合ったペン先を見つけるのがいいですね。

既にお伝えしましたが、特に国内メーカーは豊富にペン先の種類を出しています。
「国内メーカー M」「海外メーカー F」はあくまで汎用的な基準です。
自分に合ったペン先を見つけみるものいかがでしょうか。
きっと楽しいと思います。

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