東京・蔵前の文具店「カキモリ」に行ってきた

万年筆の試し書きが自由にできる文具店として、ファンの間で知られる東京・蔵前の「カキモリ」に行ってきました。カキモリは浅草にもほど近い場所にあります。周辺は職人の町としての側面も持っており、下町の情緒にあふれていました。店内は万年筆をはじめ、インク、ノート、オリジナルノート用の紙などが置かれており、落ち着きがありながらも、色彩豊かに店内が飾られとても華やいだ雰囲気。「楽しく、書く人」をテーマに選ばれた逸品が陳列されており、いるだけで楽しくなるような空間でした。

スポンサーリンク

壁面にずらりと並ぶ万年筆、手に取りやすく

万年筆売り場というと、通常はショーケースで飾られていることが多く、試し書きをしたい場合は、店員さんに声をかけ、お目当ての万年筆を取り出してもらいます。しかし、カキモリでは、壁面にずらりと並べられています。靴屋さんやメガネ屋さんを想像するとわかりやすいでしょうか。来店者は自由に万年筆を手に取り、備え付けの用紙に試し書きができるのです。

万年筆のラインナップは1万円未満、1万~3万円が多く、買いやすい価格帯が並んでいました。メーカーはパイロット、セーラー、プラチナ、ペリカン、パーカー、ラミーなどの有名どころに加え、中川屋や大西製作所など、一般の販売店ではあまり見られない特徴あるメーカーの万年筆を取り扱っていました(中川屋についてこちらの記事もぜひ参考に)。

私も早速、手に取ってみました。10本あまりを次々と比較。それぞれの書き味を即座にかつ自分のペースで確認できるのはとても大きなメリットです。詳しい説明を受けたい場合は店員さんに声をかければいいので、とても気楽です。ショーケースから取り出してもらうスタイルだと、どうしても遠慮が生じてしまいますので、5~6本試すのが限度でしょう。また、カキモリでは、万年筆のほか、ガラスペンやローラーボールペンなども揃えられています。

スポンサーリンク

多彩な紙でオリジナルのノートを

カキモリのもう一つの大きな特徴は、オリジナルのノートを作れることです。もしかしたら、万年筆よりこちらのほうが、人気を集めているという意味では強いウリとなっているかもしれません。店内には、さまざまな種類の紙が並んでおり、来店者は気に入った紙でオリジナルのノートをオーダーできます。紙のサイズや表裏の表紙、留め具なども選べます。店内には、オリジナルのノートを注文されている方が複数いらっしゃいました。なお、ノートを使い切ったら、表紙はそのままに、有料で中紙を交換してもらえるとのことでした。

正確な人数を数えたわけではありませんが、肌感覚ですと、万年筆などの筆記具よりも、オリジナルノートを目当てにいる人のほうが多いように感じました。このほか、オリジナルインクにも力を入れており、手に取る来客者の姿も多く見られました。お店の方によれば、顔料インクがお店のコンセプトと合っており、注力しているそうです。

全体として、とてもオシャレな雰囲気で、女性客が多かったのが印象に残ります。考えてみれば、文具はわりと女性の分野というか、女性にファンが多いんですよね。カキモリに行って、そのことが改めて再確認できました。ステーショナリーというと、さらに女性っぽさが際立つのではないでしょうか。一方で、万年筆というと、男の趣味という気がします。これは、言葉と印象という観点から、面白い事象だと思えました。

文房具の個別の一つ一つは基本的には中性というか、男っぽさも女っぽさもありません。ボールペン、鉛筆、ハサミ、のり、定規、消しゴム、インクと並べてみると、無機質な事務用品を言い表しています(消しゴムは少しだけ女性性を帯びているような気がしないでもありませんが)。ところが、万年筆を一つだけ取り上げた途端に、言葉に男性性があるように感じ、同時に趣味性も帯びてきます。同様に、事務用品をひとまとめに文房具、文具、ステーショナリーというと、女性性と趣味性が強くなります。だからどうしたということはないんですけどね(笑)

カキモリオリジナルの製品を購入

店内の奥のほうには、イベントスペースがありました。新型コロナウイルスの影響もあり、イベントは控えているそうですが、設置されている机や椅子は「自由に使える」とのことです。試し書きや、オリジナルノートを作ってもらっている間は、こちらを利用するのがいいかもしれません(オリジナルノートの製本には15~20分かかることもあるそうです)。

さて、カキモリでは、私も一つ買い物をさせていただきました。実はそれは、万年筆でもオリジナルノートでもありません。前々から興味のあったガラスペンを購入しました。カキモリオリジナルのガラスペンです。見た目に美しく、書き味も非常に良い逸品。このガラスペンについては、また別途、ご紹介させていただきます。※カキモリオリジナルのガラスペンの紹介記事はこちら

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事