万年筆で何を書くか。おすすめの使い道、楽しみ方

万年筆を持ったはいいが、使う機会が少ないという声はよくあると思います。確かに、今は書くことそのものをあまりしなくなりました。デスクワークでも使うのはパソコンがもっぱらですし、筆記具にまったく触れなかったという日も少なくないのではないでしょうか。万年筆には見る楽しみもありますし、所有することそのものが一つの喜びではあります。でも、せっかくなら使ってみたいと思うのが人情です。日常生活でも仕事でもほとんど使う機会がないというのなら、使う機会を生み出さなくてはなりません。そこで、おすすめしたいのが、「筆写」(書写)です。

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書写(筆写)のすすめ

書写(筆写)とは読んで字のごとく、書き写すことです。世の中にあまたある文章を書き写すので、書写に終わりはありません。いくらでも好きなだけ続けられます。実際には文庫本一冊を筆写するのも相当時間がかかるでしょう。

書写するのは、好きな作家の本でいいと思います。あまり小説を読まないのであれば、過去の名作を選んでみるのはいかがでしょうか。具体的には、夏目漱石や芥川龍之介、川端康成、三島由紀夫ら、いわゆる文豪です。文豪の文章は一本筋が通っている感覚があり、非常にどっしりとした重厚感があります。それぞれに強い個性がありとても味わい深いです。しかも、昔の文豪は万年筆を使って書いていたケースが多いので、文豪の気分も味わえます(笑)

ただ、文体はどうしても古いですし、敷居が高いなと感じたら、現代作家がいいですね。東野圭吾、池井戸潤、夢枕獏、横山秀夫……と、このへんは完全に好みです。余談ですが、このうち夢枕獏は現代でも万年筆を使っている、稀有な作家です。

詩歌に興味をお持ちなら、その方面で好きな作家・作品を見つけるのも面白そうです。詩ですと一編のボリュームもそれほどではないので、書き写しやすいかもしれません。

また、著名な作品の冒頭だけ書き写すというのもありです。古典などを見てみるものいいでしょう。万年筆を使いながら文学の世界に親しむ。本当に万年筆は素晴らしい道具です(笑)

なお、私は英詩を書写することもありますが、これはインテリぶりたいから、というのもないことはないですが、、、インテリぶることにどれだけ意味があるか不明ですが、、、どちらかというと、海外の万年筆はアルファベットを書くためのものですので、
アルファベットを書く時の書き心地を味わいたいからです。書いていて思うのは、当たり前ですけど、日本語と違う、画数が少ない分、よりさらさらーが味わえるような気がします。

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万年筆で習字

日本にはご存知のように書道という分野があります。書道は毛筆を持ち、墨汁をつけ、心静かに紙に字を書いていきます。

同じことを万年筆で行ってもいいのではないでしょうか。毛筆が万年筆に、墨汁がインクに変わるだけです。いずれにせよ、「筆」を持つことには変わりありません(やや強引ですが)。

万年筆の場合は、運筆はあまりゆっくりとはならないでしょうから、細筆で草書体をさらさらーと書いていくイメージが近いかもしれません。実際に草書体を書いてみるのもいいでしょう。

今(2020年4月)は、心を落ち着けるのがとても難しい時期に差し掛かっています。時間を持て余しぎみになるのも正直なところです。こんな時こそ、ゆっくりと書と向き合ってみるのはきっと価値が高いはずです。万年筆なら、墨汁を用意するほどの手間はかかりませし、汚れる可能性も低いです。場所もそれほど制限しませんので、取り組んでみるのはとてもよいと思います。

また、英語(アルファベット)の話が出てきたので、カリグラフィーについて触れたいと思います。カリグラフィーは文字を美しく見せる手法で、アルファベット版書道のような意味合いです。ただ、デザインやアートに近いような気がします。せっかくアルファベットを書くのなら、少し美しく見せる書き方に挑戦してみるのもいいかもしれません。

私はせっかくだからと、カリグラフィーで美しい筆記体を書いてみようとしたことがあります。既に何度か挑戦しました。私の世代は筆記体を習わない世代で、書くことも読むこともできません。万年筆で筆記体を書けたら格好いいと、練習帳まで買ってくるのですが、いかんせん書く機会も読む機会もほとんどないので、定着しないのが現状です。練習をするうちに書けるようになっても、しばらくすると忘れる。この繰り返しです。美しい筆記体を書くのは、まだ先になりそうです。。。

書写の効果

これは完全に余談になるのですが、書写することは学びの効果がとても高いと言われています。学生の時に、教科書や参考書をひたすら写した記憶があるかもしれません。社会人になってからも、書くことを仕事にしている人は、学びの過程で筆写を取り入れることが少なくありません。(私もその一人です)

筆写することで、文章の流れや言葉遣いを「体得」できるのですね。特にコピーライティングやセールスライティングの世界では、筆写をすすめられることが非常に多いです。実際、読むより書くほうが学びの効果が高い実感があります。

なぜかというと、実はビジネス系の文章は一定の「型」があり、多くの場合はその型に則って文章を作っているのです。同時に使用する言葉もある程度は決まっています。この点が、文芸作品と違うところだと思います。

例えば、わかりやすい例として新聞記事があります。新聞記事は「このように書く」と型が完全に決まっており、言葉使いにも制限というか、決まりがあります。その型や決まりがあるからこそ、文章が素早く書けますし、誰が書いても均質な仕上がりになるのです。ビジネスでは均質さはとても大事です。新聞記事が記者によってバラバラな書き方をされていたら読みにくくて仕方ないでしょう。ぜひ試しに新聞を読んでみてください。中身は違っていても、構成や言葉遣いはほとんど同じだと気づくはずです。

センスのある人だと、誰に言われることなく、文章の型を見破ります。センスがなくても、書写などを通じて体得できます
少し時間がかかるかかからないかの差でしかありません。そして、一度体得してしまえば、後は自分自身でどれだけスキルを伸ばしていけるかです。と、このへんはもう万年筆の何の関係もない話でした。書写に関するさらに詳しい話はこちら

自分の文章を書きたいという場合は

書写もいいけど、人の文章ではなく、自分の文章を書きたいという要望があるかもしれません。

それでしたら、その要望にはしっかりと応えたいと思います。私は仕事柄、文章講座の類をけっこういろいろなところで実施しています。文章は誰でも書けるようになりますので、書き方について、こちらのサイトを通じ伝えていきたいと思います

順次、書き方講座のような内容をアップしていきますのでご期待ください。万年筆を楽しみながら文章も書けるようになる。とても素晴らしいサイトな気がしてきました(自画自賛)(笑)

(追記)
ぜひこちらのページを参考にしてください。随時、追加・更新しています。

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