【万年筆】プラチナ万年筆 #3776センチュリー シャルトルブルー

今回ご紹介するのは、プラチナ万年筆の「#3776センチュリー」です。センチュリーはプラチナ万年筆の代表する存在。開発されたのは意外と新しく、2011年です。それまでフラグシップモデルだった「#3776」を5年かけて改良し、新たに「#3776センチュリー」として世に送り出したのでした。

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画期的なキャップは、2年間もインクの乾燥を防ぎます。

最も大きな特徴の一つは、機密性の高い「スリップシール機構」(特許取得)を取り入れた革新的なキャップでしょう。このキャップはなんと2年もの間、インクの乾燥を防ぐとされています。通常は3~6カ月使わないと乾いて書けなくなるのを、倍以上の期間長持ちさせるのです

インクが乾きにくい構造ですので、顔料インクを使いたい場合に適しています。顔料インクは耐水性が高く長期保存に優れている反面、インクが乾き詰まってしまうなど、故障を引き起こしやすい側面もあるのでした。しかし、センチュリーであれば、顔料インクも安心して使えます。実際、私もこれまでやや敬遠していた顔料インクを初めて使うことにしました。

なお、3776は富士山の標高を表しています。「日本一」の万年筆を目指していたことが容易に想像できるでしょう。モンブランもペン先にモンブラン山の標高「4810」が刻印されています。プラチナ万年筆がモンブランを意識したのかは不明ですが、山に思いを寄せる共通点があることに面白みを感じます。

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書き味は最高と言わざるを得ない。

プラチナ万年筆 #3776センチュリー肝心の書き心地はいかがでしょうか。あまりの使い心地の良さに感動を覚えざるを得ません!適度な弾力に加え、柔らかさがあります。かといって、柔らかすぎもせず、硬すぎもせず。ペン先が滑らかに紙の上を滑りながら、とめはねはらいがきちんと表現できる。さすが日本のメーカーだけあって、日本語を書くにはやはりベストです。アルファベットなどを書くことに最適化されている輸入万年筆にはない良さがあります(私は改めてプラチナのファンになりました)。

ただし、日本のメーカーでもそれぞれに書き味が異なり、同じメーカーの製品でもモデルごとに書き味は異なります。しかも、高ければいいということでもありません。書き味が硬いか柔らかいかは、ペン先が平らか丸みを帯びているかなどで違ってきます。丸みを帯びれば柔らかくなりますので、価格とは関係のないところで書き味は決まってきます。

肝心なのは、自身の手の大きさや筆圧、書く速度に合っているかどうかです。加えて言うと「目的」によっても選び方は変わってきます。一定の文字量を速く書く時に使いたい、メモ帳にサッと書く時に使いたい、ゆったりと気持ちを落ち着けながら書く時に使いたい……、いずれの場合も選ぶ万年筆が変わってくるはずです。こうしたこともあって、万年筆をついついたくさん持ってみたくなるのかもしれませんね。

自分に合っているかどうかは、使ってみないことにはわからないことが多いです。また、他の製品と比較しながらでないと、判断できないことも少なくありません。だからこそ、実店舗で試し書きをした上で購入することが推奨されるのだと思います。センチュリーを購入するのに、私は丸善まで足を運びました。その際、比較対象とした、別のプラチナの万年筆も非常に書き味が良く、さらに筆圧がやや強めの私には、そっちのほうが合っているようにも思えました。ただ、さらさらさらーと書きたいという要望があり、それにはセンチュリーのほうが適していると感じたので、センチュリーにしたのでした。

選べる万年筆の色、豊富なバリエーションも魅力。

丸善の売り場に並べられた#3776センチュリー
センチュリーの魅力の一つに、色の種類が豊富にあることが挙げられます。一般的な黒をはじめ、青、赤、白、緑、さらにスケルトン、半透明、蒔絵などがあります。色合いがとてもカジュアルなものも多くあり、丸善の売り場の方(女性)によれば「センチュリーは女性人気が高い」とのこと。センチュリーだけを複数本持つ人もいるのだとか。なお、女性に人気が高いのは私自身も購入したシャルトルブルーだそうです。その売り場の方もシャルトルブルーを使っていました。

最後に、センチュリーは2019年に値上がりしています。これは主に金の高騰によるもので、他のメーカーの製品でも値上がりしたモデルがいくつかあります。金の価格は上がり続けているので、もしかしたら、国産・輸入品に関わらず、さらに万年筆の値上がりがあるのではないかと少し危惧しています。欲しい万年筆があるのなら、早いうちに購入したほうがいい、かもしれません。

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