【文章講座】書くヒント③共感を呼び、読まれる文章を書く方法
文章講座 万年筆で書こうの表紙

共感を呼び文章を書くテクニックを前編後編にわたりお伝えしています。「文章力は発見×構成」を前提に、これまでは「発見」を中心に扱ってきました。本稿は後編の後編、つまり第3回目。取り上げるのは「構成」です。構成は発見の内容を文章化する時に使われるテクニックです。前編と後編の1回目と比較すると、より技術的な内容となっています。文章は発見までが大変で、文章化そのものは実は想像以上に容易です。本当か、と思ったかもしれませんが、本当です!では、実際の手法を見ていきましょう。

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自分にとって形にしやすい「型」を持つこと。

世の中には文章を書くことを生業にしている人たちがいます。そういう人たちは、ものすごいスピードで文章を書いていきます。専門外の人たちからすると、何か特殊な能力を持っているように感じるかもしれません。が、実はまったく能力の問題ではないのです。では何が違うのかと言えば、自分なりの「構成方法」を持っているか否かです。「構成」より「型」と言ったほうがより理解しやすく実情に近いと思いますので、ここでは一旦「型」と言うことにします。

この場合の型というのは、単純化すると「情報の順番」と言い換えられます。文章の流れがある程度決まっていて、必要な情報を穴埋めしてく感覚です。わかりやすいのが新聞記事でしょう。具体的には「●は●日、●で●を行い、●した」という型をいくつも持っており、その時々に合わせて最適な型を使うのです。

よく「頭の中で文章ができている」と言いますが、まさにその通り。取材し終わった時点で、ほぼ文章はできています。このため、机に座った瞬間に記事が書けてしまうのです。職業的に文章を書く場合は、とにかく量産することが求められます。記事を1本を書いて、またすぐ次の記事を書くのがプロです。スピードが求められ、そのために型は必須なのです。文章を書くコツ、テクニックとして、新聞記者が持っているような型を持つことを強く推奨します。ただ、いくつも型を持とうとすると、そのたびに学びが必要で大変です。職業的に文章を書かないのであれば、1つあれば十分なので、1つ持つようにしましょう。

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おすすめの構成(型)は「序論・本論・結論」。

おすすめは、このサイトでも何度か言及していますが、「序論・本論・結論」の構成です。文章というと「起承転結」が有名ですが、書き手の工夫が求められる面が多く、ややとっつきにくいところがあります。また、有名なわりには応用範囲が狭いのが実情です。その点、序論・本論・結論は流れが決まっており、ビジネス文書にも使えるなど応用範囲が広いです。具体的な文章の流れは「私は●と考える(序論)。なぜなら●だからだ(本論)。よって私は●と考えるのである(結論)」という具合です(こちらのページもぜひ参照ください)。少し堅さ感じがしますが、それは言葉遣いでいくらでも調整できます。

序論・本論・結論を分解すると、「序論」で主張、つまり発見を書き、「本論」で具体的な根拠を示し、「結論」でまとめます。一番ボリュームのあるのは本論で、ここに体験を書きましょう。結論はあってもなくても良いような箇所です。工夫としては、未来に向けた決意のようなことを書きます。序論とほとんど同じことを書いてもOKです。「私は万年筆が好きだ(序論)。なぜなら書きやすいからだ。文字をさらさらと書けるし、ノートいっぱいに文字を書いても疲れない(本論)。これからも万年筆を使っていきたい(結論)」という感じになります。「万年筆が好きだ」という主張・発見がいかにも弱いので、本論をよほど工夫しないといけないでしょう。発見がいかに大切かわかるのではないでしょうか。

なお、PREP(プレップ)法という言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれません。「Point(結論)、Reason(理由)、Example(事例、具体例)、Point(結論)」の頭文字を取ってプレップなのですが、何のことはない序論・本論・結論と同じ。横文字を使っているため、何となく新しそうに感じるだけです。

型を受け入れよう。

型は無自覚で使っている人もいれば、意識して使っている人もいます。前者は先天的に文章を書ける人で、後者は後天的に文章を学んだ人です。私は明らかに後者です。後天的に身につけたからこそ、人に伝えることができるのですね。

大事なのは、文章を「書ける」人は、意識していようがいまいが、型を使っているということです。文章は自由だ、クリエイティブだ、などと捉えてしまうと型を否定しがちですが、それでは文章は書けません。時々、文字通り型にはまることを極端に嫌う人がいますが、文章を書けないのであれば、ぜひ型を受け入れてほしいと思います。型という言葉が嫌いなら、「構成」で良いわけです。

また、文章ですので、序論・本論・結論の流れがあるといっても、同じ文章は一つとしてありません。どんなに同じような内容の文章であっても異なるものです。また、何度か書いているうちに自分にとって書きやすい構成やリズムが見えてきます。そこまでたどり着けば、文章を書くのが楽しくなってきます。ぜひ万年筆を手に書くことを楽しんでください。

まとめ

以上、これまで3回にわたって文章を書くテクニックをお伝えしてきました。文章は「発見と構成」で成り立ちます。このうち扱いが難しく、なかなかノウハウを示しにくいのが発見です。本講座ではあえて発見のほうを手厚くしました。極端な話、発見ができれば、あとは構成(型)に当てはめていけば文章は出来上がります。発見の質が文章の質に直結しますので、ぜひ発見に力を入れてみてください。

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