【万年筆】ウォーターマン カレン・デラックス

今回ご紹介したいのは、ウォーターマン(仏)の「カレン・デラックス ブラック&シルバーGT」です。「カレン」はフランス語で「舳先(へさき)=船首」を意味し、文字通り船の先端部分を模した独特の形状が印象的な一本です。キャップの波状は川(セーヌ川)を表現しているようです。カレンは中古で購入しました。その経緯や中古(used)を使ってみての感想などをお伝えします。
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ずっと欲しかった「カレン」が、リーズナブルになっている。

ウォーターマンの万年筆は本サイトで2回、取り上げています。以前にご紹介したのは「パースペクティブ」と「メトロポリタン」です。いずれも個性的なデザインが魅力の万年筆ですが、前者2本と「カレン」の決定的な違いはペン先です。「パースペクティブ」と「メトロポリタン」はステンレス、「カレン」は金ペン。ウォーターマンはデザインが好きで、万年筆に興味を持ったころから愛用していたのですが、金ペンを持っていなかったのです。

ずっと欲しいと思っているうちに万年筆の価格が上昇してしまい(詳しくはこちら)、手が出せなくなっていました。何しろ、正規で買おうとすると6万円以上もします。値上がりする前も4万円以上していたはずで、そもそも気軽に買えるようなものではありません。それに価格上昇が加わり、ちょっと、というか大いに、二の足を踏んでしまうことになったのです。

実のところ、万年筆の価格が上昇してからは、万年筆の購入は控えていました。もともと「安いから買っていた」わけでもなければコレクターでもないので、今持っているだけで十分すぎるほど十分。購入の必然性はないのですが、どこかに心残りがあって、たびたび中古サイトを見ていました。

するとある時、3万円台で販売されているのを見つけてしまったのです。3万円だと元々の価格より安い(中古なので当たり前ですが)。3万円は決して気楽な額ではないが、リーズナブルではある。少なくとも「カレン」をこの額で買えることは今後ないのではないか。ということが頭をよぎりました。3万円にとびつくほどお金が有り余っているのではない、しかし、今回の機会を逃したら同じ値段では買えないだろう、中古品だし在庫はなく一点物。迷いに迷って、1~2週間逡巡して、ついに購入ボタンをクリックしてしまったのでした(ネットショッピングの気楽さはおそろしくはあります……)。

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美しくデザイン性の高い「カレン」の良さを再確認。

購入後、しばらくして届いた「カレン」はどうだったでしょうか。色や形はほぼネットで見た通りでした。「カレン」の魅力の一つは、何と言ってもその形なのですが、これは想像通り、納得も満足もいくものでした。色についても想定通りです。黒を選んだのが良く、思っていたのと違うということが起こりにくかったのかもしれません。私が利用した販売元(※)は、複数の角度からの万年筆の画像に加え、実際に筆記している様子を撮影した動画もアップしていました。このため、見た目についてはかなりの信用度がありました。改めて手に取ってみて、本当に美しくデザイン性の高い万年筆だと感じます。
キングダムノート楽天市場店

その通販サイトには大きさ(長さ)や重さも記載されていますが、大きさはともかく、重さについては実際に持ってみないとわかりづらいところがあります。例えば、同じ100グラムでも球状のものと棒状のものとは重さの感じ方が異なるでしょう。このため、重さに関しては実際に手に取ってみるまで、馴染む馴染ないの判断はできないと思います。

それで、実物に手にしてどうだったかというと、少し重いかなというのが正直な感想です。とはいえ、書くのに支障をきたすほど重い、ということはありません。購入前にこの重さを知っていたとしても、購入の意志は覆らなかったと思います。

書き味は少し硬めです。プロフィット(セーラー)、カスタム(パイロット)、センチュリー(プラチナ)など、国産の代表的なモデルより硬いような気がします。ペン先がペン軸と一体化しており、独立していない形状なので、硬さを感じやすいのかもしれません。もちろん、「金ペンの万年筆としては硬い」なので、ヌラヌラと滑るように書く感触は十分に味わえます。これにつても、この硬さがために購入の意志が覆るということはありません。硬さについては好みの問題ですね。

また、購入した「カレン」は中古品(used)です。もしかしたら、私は硬いと感じましたが、使い込まれていて既に十分に柔らかくなっている状態なのかもしれません。ただ、新品の状態でどういう書き味だったかはわからないので、何とも言えないところです。他人の癖がついて書きにくいということもないので、使う分にはまったく問題はないですね。

ウォーターマン カレン・デラックス ブラック&シルバーGT ペン先
ウォーターマン カレン・デラックス ブラック&シルバーGT ペン先

その他、これは購入以前から、サイトで確認した段階からわかっていたことで、気になっていたことと言えば、キャップが嵌合(かんごう)式ということでしょうか。嵌合式はキャップを押し込んで閉めて、引っ張って外す形式です。対して、ねじ込み式はキャップを回して開閉します。私はどちらかというとねじ込み式が好きなのですが、手元にある万年筆は嵌合式が増えており、既に持っているウォーターマンのパースペクティブとメトロポリタンも嵌合式なので、同じ形式が重なるなと思っていました。それでもカレンが良い万年筆であることは変わりないので購入を決めたのでした。

中古品ということで、劣化具合いも気になるところでしたが、胴軸やキャップなどに目立った傷はなく、ペン先についても曲がっているなどいうことはありませんでした。これもサイトの情報通りでしたね。とても良い状態で中古だと言われなければわからないほどです。

余談ですが、作家の向田邦子は使い込まれた万年筆を好んで使っていたそうです。新品だとペン先が硬いので、友人や知人が使い込んだものを譲り受けていたとのこと。新品よりも中古品(used)が良かったということでしょうか。これも一つの考え方として、参考までに。

総合評価(あくまで個人の評価です)。

以上が「カレン」を手に取ってみて、使ってみての感想になります。では、万年筆をネット通販で買ってみての感想はどうか。ほとんどのことが想定内でした。思っていたのと違ったということはありません。購入先が万年筆をはじめ筆記具を専門に扱っているところということもあり、なんだか違うものが出てきたということはないのです。開示されている情報、写真、動画通りのものだったと言えるでしょう。

他方、どうしようもないのが書き心地です。こればかりは実際に手に取ってみるまではわかりません。書き心地は万年筆でもっとも重要な要素の一つですので、試し書きをしないで購入するのをためらってしまうのなら、ネットショップの利用はお勧めできません。一方で、既に万年筆を持っており、書き味について概ね理解できる、多少好みでない書き味であっても別に構わない、というのならネット通販の利用は大いにありだと思います。

ネットショップを利用する際は価格だけでなく、特に「ペン先(ニブ)の種類(21K、18K、14K、ステンレスなど)」と「文字の太さ(M、Fなど)」は要注意です。これらは見た目ではわからないところなので、しっかりと確認しておきましょう。

また、購入はあくまで信頼できる販売元からにすることがとても重要です。特に中古品は状態によって価値が大きく左右されます。通常使用の範囲内の中古品なら良いのですが、ペン先が曲がっているなどの場合は致命的です。修理はできるでしょうが、結局新品で買ったほうが安かったともなりかねません。販売実績のある店舗(サイト)から購入するのが無難です。

ウォーターマン カレン・デラックス ブラック&シルバーGTとシステム手帳

特に注意が必要なのは、ネットオークションなどを通じて個人から買うことでしょう。中には万年筆を知らないで売っている人もいます。値付けも適当なことがあります。例えば、つい最近、非常に安価に根付けされている万年筆をオークションサイトで発見しました。

なぜこんなに安いのかと気になって見てみると、商品概要のところで金ペンなのにスチールと記載されていました。商品の写真を見ると、ペン先に18Kと刻印されています。この販売者はおそらく万年筆のことを知らないのでしょう。金ペンと鉄ペンの区別もつかなければ、価格が上がっていることを知らないと推測されます。ただ、本当は知っていて、写真はウソでだましにかかっている、とも考えられます(そのような販売方法が許されるかは不明ですが)。

こうなると、どうも信用できなくなりますよね。万年筆を扱う文具店(サイト)なら絶対に付けないような値段で売っています。一か八かで買ってみるという手段もないことはないでしょうが、わざわざそんな賭けに出る必要はないわけなので、信頼できる販売元からの中古品は購入を検討して良いが、個人からはできるだけ避けたほうが良いでしょう。

あとがき

今回、ウォーターマン「カレン」を中古でネット通販を利用して購入した事例を取り上げました。通販であること、中古品であること、のデメリットはほとんど受けず「カレン」を購入できたと感じています。繰り返しになりますが、信頼できる販売元であれば、中古品(used)であっても、一定の安心感を持って購入できます。また、状態にもよりますが、中古だからといって、万年筆の機能が大きく損なわれることもないと言えるでしょう。ネットショップ利用の最大のメリットは価格だと思います。その恩恵にあずかりたいのであれば、ネット通販の利用は大いにありです。

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