【文章講座特別編】感想文は体験を書く! 1時間で仕上げる方法 
子どもが文章を書いている

この時期、必ず題になるのが感想文です。話題に挙げるがちょっと遅くなりましたが、お盆の時期に一気に仕上げてしまおうという動きもあると思いますので、改めて感想文の書き方をご紹介します。

(この講座で学べること)
最速で感想文を仕上げる方法がわかります。
主に小・中学生向けですが、高校生でも活用可能です。

(この講座を読んでほしい人)
・お子様に感想文について相談された保護者の方
・お子様に感想文の書き方を教えようとしている保護者の方
・正直、代筆を視野に入れている保護者の方
・とにかくさっさと感想文を仕上げたい保護者の方または本人

(注意点)
・教育上云々という話は一旦、横に置いてください。
(そんな余裕のない方を対象にしているため)
※より詳細は【このページ】もぜひ参照にしてください。具体的な内容が書かれています。

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感想文は「感想」を書かない。「体験」を書く。

感想文は感想を書くのではないと最近よく耳にしますが、これは本当です。感想を書くのでもなければ、評論を書くのでもありません。では、何を書くのかと言えば、「体験」です。「体験を書く」とは、つまり「作文を書く」と同義だと捉えてください。感想文は「作文に本のあらすじを加えたもの」と考えてほぼ間違いありません。従って、作文さえ書ければ、感想文はほぼ書けたも同然です(裏技をお伝えすると、これまでに書いた作文に本のあらすじをくっつければ、感想文は完成します。どうくっつけるかは下記を読み進めると理解できるはずです)。

これで感想文の正体がわかりました。要するに作文なのです。ただし、感想文の作文の場合は若干の縛りがあります。それは「本の内容とリンクさせること」です。学校が指定する課題図書の場合、勇気、友情、努力、チームワークの大切さ、諦めない気持ち、年長者やお年寄りを敬う気持ち、自然・環境を大切にする気持ち、命を大切にする気持ち、日本・日本文化を大事するなど、おおよそテーマが決まっています(そうした内容を否定する本を学校が読ませるはずがありませんよね)。そのテーマと作文、もっと言ってしまえば体験をリンクさせるのです。

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本の内容と体験をリンクさせるには。

もっとも簡単なリンクのさせ方は、「私も同じ経験をしたことがある」と一文、挿入させることです。「『本のあらすじ』+『私も同じ経験をしたことがある』+『作文』」で感想文は出来上がります(つまり、作文を書いたことがあるなら、それを利活用できるわけです)。ただ、中には、私は勇気や友情などと無縁だったし、道徳的な行動は苦手なんだけど、という人もいるでしょう。

ご安心ください。作文に書くのは、勇気や友情などが発揮できなかったことでも良いのです。必ずしも良い体験を取り上げる必要はなく、どちらかというと自分ができなかったこと、マイナスの体験を取り上げたほうが書きやすいかもしれません。例えば、「主人公は勇気を振り絞った。しかし、私はできなかった。私は主人公を見習い、今度同じ場面になったら勇気をもって行動したい」みたいな感じにできるからです。

ちなみに、上に列挙したテーマだと、扱いやすいのが「諦めない気持ち」だと思います。運動や部活動をやっている人であれば、諦めたまでいかなくとも、途中で止めてしまったことが一度や二度はあるはずです。運動や部活に限定しなくても、勉強のことでも良いし、何かを始めようとして三日坊主で終わったことでも良いのです。そのことを取り上げて、これからは諦めない気持ちを発揮したい、みたいな感じで絞めれば良いでわけです。

作文は創作でもOK?

「私は友情や勇気に興味ないし、諦めない気持ち持ち合わせていない。同じ場面になっても、同じことをするだろう」と考えるかもしれませんが、あまり堅苦しくまじめに考える必要はないのではないでしょうか。作文や文章はもっと自由なものです。自分の気持ちを正確に示さなければいけないなどという決まりはないので、ご安心ください。

よく作文は創作でOKかと聞かれます。OKですが、まったくゼロからの創作はよほど創作に慣れている場合を除き、難しいものです。一方、自分の体験を土台にして、大げさに言ったり、場合によっては一部を敢えて述べなかったりするのは、簡単にできます。と言いますか、ある出来事を強弱をつけて伝えることは、当たり前のように行われています。

こういうと、なんだかズルしているようですが、100%正確に事実を書き表した作文はありませんし、そうすることはほぼ不可能です。なぜなら、どんな物事も見方によってさまざまな見え方がするからです。気持ちにしても、ある場面に立ち会ってたった一つの気持ちしか持っていなかったなんてこともないでしょう。いろんな感情が入り乱れるのが普通です。

そうした「事実」を正確に書くことはできません。文字にしようとする段階で、そこには取捨選択が必ず入ります。であれば、自分にとって都合のいい選択をしてもいいわけです。正確であらねばならないと、変に重たく捉えないでください。極端なことを言えば、特に気持ち(心情)の部分は本人にしかわからないのですから、何とでも言えます。何とでも言えるというか、何を言っても正しいのです。

体験は明るい未来に昇華させる。

創作の話が出たついでに、もう一つ重要なポイントを述べます。それは、「体験は明るい未来に昇華させる」ということです。本の内容を体験にリンクさせるという話で、マイナスの体験をリンクさせても良いと伝えました。この時、重要なのは最後はプラスにして終わるということです。勇気が持てなかったり、諦めてしまったりした体験を書く分には何の問題もないのですが、最後は勇気や諦めない気持ちの大切さを理解したことを、ちゃんと表明してください。

課題図書というのは、何らかの教訓を得てほしいから読ませているのです。その教訓というのは、先ほどから何度か出ている「勇気、友情、努力、チームワークの大切さ、諦めない気持ち、年長者やお年寄りを敬う気持ち、自然・環境を大切にする気持ち、命を大切にする気持ち、日本・日本文化を大事する」などです。

これらのテーマを否定することは(学校において)基本的にタブーです。学校を真っ向から否定し立ち向かっていっても良いのですが、それを感想文でやる必要はありません。面白半分で下手なことを書くと、書き直しを命じられ結局、余計に時間が取られてしまいます。そんなバカバカしいことをする必要はまったくないので、本音ではどう考えていようと、作文では上記のテーマ(教訓)を否定せず、肯定的に捉えるようにしましょう。

本は読まなくて良いのか。あらすじはどう書けば良いか。

ここまで、作文の話ばかりして本の話はしていませんでした。感想文は本を読まずに書けるのかというと、書けます。ただし、内容は一定程度、把握しなければなりません。内容(あらすじ)についてはネットで探すことができるので、それ活用して構いません。その上でテーマを把握して自分の体験とリンクさせます。

本は読まなくていいと言いましたが、自分の体験とリンクさせやすくするために、重要な場面くらいには目を通しておいたほうが良いかもしれません。課題図書が「物語」の場合に限定されますが、重要な場面はだいたい後ろのほうにあります。最後の10~20ページを読んでおけば、「なるほど、主人公はこうしたのか」と理解できるでしょう。さらに、最初の10~20ページを読んでおけば、主人公がどのように変化(成長)したのかつかめるはずです(変化・成長をつかむことは物語を理解する重要なポイントです)。

繰り返しになりますが、あらすじはネットの内容を借用してOKです(要するに本は全部読まなくても良いということです)。感想文はあらすじで差はつきません。むしろあらすじは人と同じなくてはいけないのです(同じ本を読んであらすじが異なるなどあり得ませんよね)。このため、ネットでもなんでもいいのですが、よそから持ってきたものを拝借しても良いとします。ただし、一語一句同じにするのはさすがに不可です。自分の言葉で書き換えてください。また、最初10~20ページ、最後の10~20ページをまとめればあらすじになりますので、それを活用する手もあります。

まとめと参照

以上、急ぎ足で感想文について解説しました。肝心なのは、要するに作文が書ければ良いと理解することです。作文は作文で書くのは大変ですが、具体的な書き方は本サイトでも何度か解説しています。以下にリンクを貼り付けますので、ぜひ参考にして、自分史以上最速で感想文を仕上げていただければと思います!

(作文の書き方)
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